大晦日深夜の人出でごった返す渋谷公園通りの路上で、元旦未明にかけて行われるはずだったこのイヴェントは、予定プログラム半ば、警察の介入によって中止された。
・・・・スピーカーを通しての商業的・政治的な宣伝(音楽)に対する寛容さとは逆に、傷痍軍人のアコーディオンやハーモニカなどの解放区を除いて、街頭ナマ演奏がたちまち「通路立ち停まるべからず」という新宿西口広場以来の当局側の苦しい都市判断によって封じこめられてしまう、この国の管理の行き届いたサウンドスケープ、その風通しをよくすべく、密猟を試みた「大道芸人」・・・・
(細川周平)

19811231